内科救急指定病院 医療法人 足利中央病院 栃木県足利市

トピックス

院内感染について

No.1 2002年 6月

院内感染とは、治療中の病気のほかに新たに感染して病気になること、または医療従事者が感染することです。病院内での感染としてはおおよそ次の四つに分類されます。これらの複合原因もありえます。

  1. 来院者が市中から感染源を持ち込む
  2. 感染源が院内にあって、患者さんあるいは医療従事者が病気になる
  3. 日和見感染といって、免疫力が低下した患者さんが病原性の弱い微生物に感染する
  4. 耐性菌感染といって、薬剤耐性をもった菌が免疫機能が低下した患者さんに感染する

2002年1月に世間を騒がせた東京世田谷の病院でのセラチア菌による感染は治療過程における衛生管理の不備による日和見感染といえますが、セラチア菌が薬剤耐性を持っていたと考えられます。セラチア菌自体は誰もの腸内にいる細菌です。健康な方なら発病することはありません。

抗生物質が効かないメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の院内感染事故が多く報告されています。抗生物質の使いすぎが耐性菌をまん延させ、厳しい院内感染防止対策にもかかわらず、免疫力の落ちた患者さんを襲いやすくなっているのが現状です。

感染防止の考え方

当院では院内感染防止マニュアルを整備して医療従事者の教育を施し、対策をとっております。「院内感染対策予防検討委員会」を設けて毎月の定例会議を開催しています。いろいろな行動計画を立案して「感染対策レポート」にまとめています。医療従事者全員が常に学習し感染対策を心がけています。

医療器具の消毒、殺菌および医薬品の配合、施薬の全過程において衛生管理をしています。

医療従事者の清潔、および清潔な施設環境をつくるよう努力しています。環境点検実施も感染予防の一環として力をいれています。感染は適切な予防措置を施すことにより防げます。

患者さんもせっけんを使った手洗いの実行、病室の入口にある消毒用アルコールポンプをお使いになって手指の消毒の実行を実行してください。ベッド周りおよびテーブルの清潔・整頓に心がけてください。

ご家族やお見舞いの方も、ご自身が不調のときには患者さんへの訪問を控えるなどのご配慮が必要です。訪問前後の手洗い、うがいは感染防止に効果があります。マスクもいいでしょう。消毒用アルコールポンプをお使いになってください。

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